母親が部屋から出て言った瞬間全ての疲れが吹き飛んだ。

ああ俺は最大の困難に打ち勝った。
誰も俺を疑う奴はいない。俺の行為を知っているのは…宇宙だけだ。

本当に…本当に愛しているよ宇宙。

他人の子供をここまで愛せるのか?そんなことがあるのだろうか。
だが俺は確実にこの子を愛している。

この気持ちを捨てずに俺は俺なりにこの子を育てる。

「ぱ…ぱ…」

「え、いまパパって言ったのか?」

パパって聞こえたが、本当は言っていなかったのかもしれない。
でも俺は『まんま』でも『ママ』でもなく、パパに聞こえた。

俺はハイハイして近づいてくる宇宙を抱きしめ「そうだよ、パパだよ」と言った。