「母さん、久しぶり」
「春樹…?その子は?」
「ん?この子は四宮宇宙。俺の息子だよ」
平然を装っているつもりだが宇宙には俺が緊張していることが分かっているのか、
何故か宇宙が涙目になっていた。
「どういうこと…」
母親は大きな荷物を勢いよく地面に落とし少し後ずさりする。
「俺の話…聞いてくれるかな」
俺は久しぶりに母親に大きな嘘をついたような気がする。
俺は母親に彼女ができ、不注意で子供が出来てしまった。結婚はして自宅で出産したが、その後彼女は離婚届を置いて何も言わずに戻ってこなかった…と。
まるで自分が悲劇の主人公のように切なげな目で母親に訴えた。
「誰なの?彼女って…離婚とか許さないわよ」
どうやら誘拐という事は思い浮かばなかったらしい。
それだけは幸いだった。
