生前と変わらないその姿に、僕は夢を見ているのだと思った。


頭の中のひいひいお婆さんは笑顔だった。


《大丈夫だよ。お前はきっと立派になれるからね》


なにも言わない僕にそう話しかけてきた。


それでも僕はなんのことだかわからずに、ただ脳裏のひいお婆さんを見ていることしかできなかった。


でも、次の瞬間……手の中の骨が輝き出したのだ。


僕は咄嗟に手から骨を落としてしまっていた。


周囲の大人たちはざわめきだし、輝く骨に困惑の声があちこちから聞こえて来た。


輝く骨は次第に大きくなり、やがてひいお婆さんの形へ姿を変えた。


「潤ちゃん。ありがとうね」


生前と変わらぬ声で、変わらぬ体温で、僕の体を抱きしめた。


あれが、すべてのキッカケだったのだ。


僕が1人で離れに暮らすようになった原因の、始まりだった。