「どうして? 潤の家族はみんなそういう力を持ってるの?」


その質問は左右に首をふって答えた。


僕の家族はいたって普通の人たちだ。


サラリーマンの父親に、アルバイトをしている母親。


母方の両親は現役で農家をしている。


僕のような能力を持つ人は誰もいない。


「僕は突然変異なんだよ」


「突然変異?」


「うん。家族に能力を持つ人は誰もいない。僕1人だ」


そう答え、僕は真っ青な空を見上げた。


僕が自分の能力に気が付いたのは小学校5年生の頃だった。


死者を蘇らせる能力が自分に備わっているなんて、それまでは考えたこともなかった。