蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

自分の死を受け入れられなくて泣きわめいている人も少なくはない。


そういう場合は交渉がスムーズに進まなかったりする。


一定期間しか蘇らせることができないのに、生き続けさせろと無理難題を突き付けて来る死者もいる。


そういうときは、申し訳ないけれど一旦仕事を取りやめにさせてもらうようになるのだ。


死者がもう少し落ち着て、49日を迎える前にもう1度話しをしに来るようになる。


今回はそのような手間はなさそうだ。


《和男さん、あなたのお母さんが話をしたがっています》


《そうですか。そうでしょうねぇ、あんな死に方をしてしまったんですから》


和男さんはそう言い、照れくさそうに頭をかいた。


《どうも昔からドン臭い所があるんですよ。今回のことだってそう、相手も悪いけれど、僕もボーっと歩いていたから悪かったんです》


和男さんはそう言って笑い声を上げた。