蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

僕は右手の中でゆるく和男さんの骨を握りしめて目を閉じた。


手の中にある骨から和男さんのイメージを膨らませて行く。


次第に脳内で和男さんの姿がハッキリと浮かんでくるようになり、手の中の骨に温もりを感じた。


和男さんと僕が脳内で繋がった合図だ。


《若竹和男さんですね?》


僕は脳内で和男さんへそう呼びかけた。


《そうです》


返事をくれる和男さんは、意外にも元気そうな表情をしている。


その口もとには笑顔まで浮かんでいた。


ひき逃げという凄惨な事件に巻き込まれたにもかかわらず、和男さんは明るい。


それを確認して僕は内心安堵した。