蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

死者の無念はもちろんだが、この場合は残された者の未練も大きい。


事件ということで首を突っ込むのははばかられたが、被害者の口から犯人が語られるのであれば、僕は協力しようと思ったのだ。


「和男さんとの交渉が成立した場合のみ、蘇らせることができます。死者が蘇る期間は人によって異なりますが、数時間以内となっています」


僕は簡単な説明を若竹さんへ行った。


若竹さんも僕にメールを送る時にそれらは確認しているはずなので、僕の説明に時々頷く程度だった。


「それでは、蘇りを始めます」


僕はそう言い、和男さんの骨を手のひらに乗せた。


少しの温もりも感じない、ただのカルシウムの塊。


だけどこれは確かに和男さんだったのだ。