確認の上、本当に依頼者の気持ちが変わらないことがわかってから、本格的に僕の出番になるのだ。


なぜなら、蘇らせることは1度しかできない。


ここで使ってしまうと、いくら条件が揃おうが同じ人物は二度と蘇ることはないのだ。


僕は背筋を伸ばして若竹さんを見た。


ナイーブな話なので絶対に口を挟むなと、柚木さんには伝えている。


「若竹さん、もう1度依頼内容を確認させていただきます」


僕は一呼吸置いてそう言った。


「はい」


若竹さんの顔に不安の色がチラリと見える。


これから本当に和男さんが蘇るのか、期待と不安が入り混じっている様子だ。


僕らをここまで連れて来たものの、こんな若者が死者を蘇らせるなんて、心から信じる事はできていないだろう。


「亡くなったのは若竹和男さん、42歳。死亡したのは先週の日曜日。死亡した原因は……」


僕はそこで一旦口を閉じた。