僕は首を傾げてそう答えた。


だいたい僕は積読はほとんどしない。


1冊か2冊買って、すぐに読んでしまう派だ。


「だって、おかしいじゃん」


「おかしいってなにが?」


「間違えて同じ本を2冊買ってしまう和男さんが、積読を袋に入れたままだと何を買ったのかまた忘れない?」


そう言われればそうかもしれない。


だけど、それがどうした。


という感じだ。


「袋に入れたまま置いておく癖があったから、間違えて2冊買ったりしてたんだろ。さ、もういいだろ、仕事に戻ろう」


僕はそう言い、和男さんの部屋から出たのだった。