僕は相手の緊張をほぐすように、自分から自己紹介をした。


「あなたが……?」


女性はいぶかし気な表情を浮かべ、僕と柚木さんを交互に見つめている。


遠くから見たら年齢よりも若々しく見えたけれど、こうして近づいてみると疲れた顔をしているのがわかった。


蘇らせ屋に依頼するということは、近い過去にこの人の知り合いなどが亡くなっているハズだから、それが影響しているのだろう。


「はい」


僕は笑顔をたたえ、財布から名刺を取り出して依頼者に手渡した。


ここで信用してもらわなければ仕事にならないので、仕事の時には持ち歩くようにしている。


女性は名刺と僕の顔を見比べ始めた。


名刺には仕事専用のメールアドレスと、僕の苗字だけ書かれている。