蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「無理だって」


「なんで!? 潤、帽子持ってたよね? 男の服で帽子を深くかぶればバレないってば!」


柚木さんは必死で食い下がって来る。


どうしてそこまで仕事に付き合いたいのか、僕には理解できない。


「バレたらどうする?」


「全力で逃げる!」


バカか。


再び大きなため息を吐き出した。


「そんなに私を連れて行くのが嫌?」


首をかしげてそう聞いてくる柚木さんに、一瞬言葉に詰まってしまった。


嫌というか、今まで仕事に他者を同行させたことがない。


ずっと僕1人でやってきたのだ。


だから、誰かを連れて行くとどうなるか、という予想が付かないのだ。