それから数日経過しても、事件の進展はなさそうだった。


今のところ僕のところに警察が来たりもしていない。


けれど、学校では事件と同日から全く学校へこなくなった柚木さんのことを怪しむ連中も出てきていた。


それは子供の憶測程度のものだったけれど、噂話が聞こえて来る度に僕の胃はギリギリと痛んだ。


「おっはよう! 潤!」


人の気持ちを知ってか知らずか、いや、きっと考えてもいないんだろうけど、今日も柚木さんは元気だった。


ここへ転がり込んできた時には少しは憔悴した様子だったのに、日に日に元気になっているような気がする。


「今日は出かけるから、大人しくしててよ」


僕は柚木さんの顔も見ずにそう言ってスマホを操作した。