「きっとニュースにもなってるから」


そう言ってテレビを付けようとした僕を、柚木さんが止めた。


「見たくない」


「でも……」


「見たくないんだってば!」


強い口調でそう言われ、僕は手の力を緩めた。


いつまでも現実を見ないワケにはいかない。


いつまでも逃げているワケにはいかない。


もしキミが本当に人殺しなら、僕はもう共犯者なんだぞ。


そんな言葉をグッと押し込めた。


「……今日はもう寝るよ。柚木さんの言う通り、僕は昨日ロクに眠れなかったから」


僕はそう言い、柚木さんを置いて自分の部屋へと戻ったのだった。