それは床に吸収されているが、明らかに人の血液だと判断できた。


だって、血痕がある場所には白いテープが人型に貼られていたのだから。


僕は強く身震いをして自分の体を抱きしめた。


犯人が誰かはわからないにしても、間違いなくここで人が死んでたのだ。


そう思うと途端に恐怖に包まれた。


少しでも状況証拠を収集しようと思ったのだけれど、そんなの一般人である僕ができるはずがなかったんだ。


僕はその場から後ずさりをした。


呼吸が乱れるなか、せわしなく室内を見回した。


なにかないか。


なにか、被害者に直結するものが……。