僕はごくりと唾を飲みこみ、長袖の袖で自分の手を包んでドアノブを回した。


後々指紋が検出されたらたまったもんじゃない。


ドアは鍵かかけられているかと思ったが、意外にもすんなりと開いてくれた。


中に入って取っ手を確認してみると、鍵穴がすでに壊れていることがわかった。


小屋の中は意外と広く、使われていたのであろう木製のテーブルや椅子が並んでいる。


その奥のスペースを見て見ると、毛布や布団と言った類のものが乱雑に置かれているのがわかった。


誰かがここで生活をしていたということの証だった。


僕は更に奥へと足を進めた。


ここは昔食事も提供していたようで、奥には小さなキッチンがあった。


そこまで移動してきた僕はハッと小さく息を飲んだ。


床一面に広がる赤黒いものに気が付いたからだ。