グイッと身を寄せられて、咄嗟に身を逸らせた。


「誰にも言わない代わりに、数日間ここに泊まってもいいかな?」


「は……?」


僕は柚木さんの言葉に唖然をしてしまった。


「ほら、ここって離れだから基本家の人とか誰も出入りしないよね? 広いから部屋もあるし。トイレは外にあるし。お風呂は銭湯で我慢する。どう?」


『どう?』と聞かれたって、それでOKなんてできるハズもない。


僕は大きく左右に首を振っていた。


「無理、無理無理無理!」


考えれば考えるほど無理だった。


相手はクラスメートの女の子。


しかし結構可愛くて人気者で、挙句の果てには人を殺しているのかもしれないのだ。


ここに置いておくなんて絶対にあり得ない。