蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

僕は親族の要望に快く答え、杉田さんを蘇らせることにした。


そう、文字通りもう1度この世へと戻ってこさせたのだ。


僕のような人間のことを《蘇らせ屋》と言い、僕以外の蘇らせ屋はまだ他にもいる。


けれどさすがに人数は多くなかった。


調べてみたこともあるけれど、日本全国でたった3人という結果だった。


残念なような、嬉しいような、複雑な心境だったことを覚えている。


で、その杉田さんは意外にも元気だった。


ついさっきまで死人だったくせに、想像以上によくしゃべる。


『死んだら腰の痛みが無くなってね、ほら見て! こんなに走れるようにもなって!』


見た目は亡くなったときと同じ90過ぎなのだけれど、死ぬと体の不調や痛みは消えてなくなる。


そのため杉田さんは大いに喜んだ。