蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

僕だって突然のことで驚いたけれど、杉田さんは90歳を超えていると知っていたから寿命を全うしたのだと安堵していた。


そんなとき、杉田さんの親族から僕へ依頼が舞い込んできたのだ。


『少しだけお婆ちゃんと話がしたい』と。


杉田さんは亡くなる寸前まで駄菓子屋を1人で切り盛りしていた。


時折親族が手伝いに来ていたものの、頻繁に出入りするわけではなかった。


そろそろ引退して長男の家に世話になったらどうだ。


みんなが杉田さんに説得していたらしいが、杉田さんは頑として動かなかった。


あの駄菓子屋は杉田さんと、一足先に亡くなった旦那さんとの思い出も場所だったからだ。


そこから動きたくない気持ちは、僕にでも理解できた。


親族はお婆ちゃんが幸せだったのかどうか、ちゃんと話をして聞きたかったそうだ。