僕は笑い出してしまいそうになるのをグッと押し込めて《じゃあ、交渉成立だね》と、言い、目を開けた。


手のひらの骨は早くも大きくなりつつある。


僕は慌てて用意してあったハムスター用のゲージに骨を投げ入れた。


骨はどんどん大きくなり、あっという間にゲージ内にパンパンになってしまう。


「おい、なんだこれは!」


くぐもった声がゲージ内から聞こえて来る。


スペースがなくて不完全に蘇った永野敏明は歪な形状をしている。


顔から短い手足が生え、足の太ももあたりに胴体がくっつき、内臓や心臓は外部へ飛び出してしまっている。


さぞ苦しいことだろう。


「お望み通り蘇らせてあげたよ」


僕はゲージの中の永野敏明を見てそう言った。


まるで新しい生き物を見ているような感覚で、楽しくなってくる。