蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「男を殺したのは、お姉さんだったんだな」


僕がそう言うと、柚木さんはハッとしたように目を丸くした。


「だからキミは、僕のTシャツを持って逃げたんだ。あれには被害者の骨が付着していた。蘇らせて、真犯人を知らせる事を恐れたから」


そこまで言うと柚木さんは強く左右に首を振った。


「違う! 違うの!! 全部私がやったんだよ! 今朝思い出して、だから逃げてきたの!」


必死でそう言う姿が痛々しい。


お姉さんは父親を。


柚木さんはお姉さんを守ろうとしているのだ。


守りたい。


その気持ちが理解できないほど、ヒドイ人間じゃない。


「それじゃお姉さんは報われない」


僕は心を鬼にしてそう言った。