蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

食べ物が痛んだ匂いとはまた違い、異様な臭い。


「柚木さん……?」


僕は彼女の肩を後ろから叩いた。


すると柚木さんはゆっくりとこちらを振り向いた。


随分と泣いたのか、その頬には涙のあとがクッキリと残っていて目は真っ赤に充血している。


今朝見た柚木さんとはまるで別人のような風貌に驚き、言葉を失った。


「間に合わなかった……」


柚木さんはそう言い、僕の腕を掴んだ。


強く引っ張られて体のバランスを失い、僕は柚木さんの隣に膝をつく形になってしまった。