僕は勇気をだしてチャイムを押した。


カメラなんて搭載されていない、昔ならのチャイムだ。


しかし中からは何の音も聞こえてこなかった。


もう1度押しても、同じ。


電池が切れてしまっているのかもしれない。


「すみません! 誰かいませんか!」


僕は家の中へ向けて大きな声を張り上げた。


学校にいる時の僕とは、けた違いの声だ。


自分でもびっくりするくらいの声を、何度も何度も張り上げる。


それでも中からは物音1つ聞こえてこない。


もう遅かったのか。


それとも検討違いで誰もいないのか。


焦りと不安で背中に嫌な汗が流れて行く。