蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「あの骨があれば、被害者を蘇らせることができたのに……」


どうしてもっと早く気が付かなかったんだろう。


被害者から直接話を聞く事ができるなら、事件の真相なんて簡単にわかったのに。


今更悔やんでももう遅いけれど、唇をかみしめた。


僕は弾かれたように立ち上がり、手早く着替えをすませた。


スマホを片手に離れを飛び出す。


自転車にまたがりながら、翔平に電話をかけた。


『どうした?』


まだ授業中だけど、翔平はすぐに電話に出てくれた。


声が響いて聞こえて来るから、トイレにでも入っているのだろう。


「柚木さんがいなくなった」


『え……!?』


「荷物も、なにもかも持っていなくなった」