しばらくその場から動く事ができなかったけれど、僕はのそりと体を動かした
いつまでもここに突っ立っているワケにはいかない。


警察に……行かないと。


そう思い、ゆるゆると自分の部屋へ移動した。


電気をつけて室内を確認してみると、あのTシャツが無くなっていることに気が付いた。


あのTシャツには謎の白い粉が付着していた。


それを柚木さんは忘れずに持ち去ったようだ。


そうなるとますます柚木さんが犯人である可能性が高くなっていく。


柚木さんは何かを思い出し、そして粉の正体も思い出していたのかもしれない。


僕は力なく布団の上に座り込んだ。


早く着替えて警察へ行かなければいけない。


頭では理解しているのに、体が重たくて言う事を聞いてくれないのだ。