「男に手をかしたのか?」


そう聞くと、翔平は頷いた。


「僕は登校拒否になったメイコの家に行って……誰にも話すなと脅していたんだ」


これで三浦さんの件で疑問だったことはすべて消えた。


最悪の形で。


三浦さんは自殺だった。


だけど確かに殺されたのだ。


柿村大志と永野敏明、そして、翔平の手によって。


行き場を無くしてしまった三浦さんはどれだけ苦しかっただろう。


もしかしたら逃げ道はどこかにあったのかもしれない。


だけど、三浦さんにとってその世界は四方を塞がれた鉄の箱の中だったのだ。


出口なんてどこにもない。


助けなんて来るはずもない。


そんな場所に1人でいたんだ。