蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「なにか、思い出した?」


そう聞いても、僕の声が届かない。


よほど重要な事を思い出してくれたのかもしれない。


期待が高まり、更に質問を続けようとしたときだった。


「ねぇ、お腹へった」


柚木さんがそう言い、ムスッとした表情をこちらへ向けたのだ。


「は?」


僕は思わずそう聞き返した。


「お腹減ったよぉ。起きてからもう30分はたったよね? そろそろご飯作ろうよ」


そう言って布団から抜け出す柚木さん。


「ちょっと待って。なにか思い出したんじゃないのか?」


慌ててそう聞くと、柚木さんは首を傾げた。


「全然思い出せてないよ。お姉さんを見た気がしたけど、それも勘違いかもしれない」