蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

それなら、ここで立ちどまる必要もない。


僕は自分自身にそう言い聞かせて、ナイロン袋に入れていたTシャツを取り出した。


小屋へ行っていたときに来ていた服だ。


そこについて白い粉が気になって、洗濯できずにいた。


これを見せれば、柚木さんの記憶にまた変化があるかもしれない。


そう思い、Tシャツを持って柚木さんの前へと戻って来た。


「なにこれ?」


気持が随分と落ち着いて来たのだろう、柚木さんはいつもの調子でそう聞いて来た。


「黙ってたけど、僕も1度あの小屋を見に行ったんだ」


そう言うと、柚木さんは驚いたように目を見開いた。


「見に行ったって……入れたの?」


「一応ね。誰もいなかったから、勝手に」


「なんでそんなことするの!? 危ないでしょ!」