翌日。


僕は柚木さんの悲鳴で目が覚めた。


一瞬夢の中で聞こえて来た悲鳴かなと考えたけれど、隣の部屋で柚木さんが起きだす気配がして、現実の悲鳴だと気が付いた。


「どうした?」


僕は部屋を隔てているふすまの前に立ち、そう声をかけた。


中の様子は気になるけれど、相手は一応女だ。


「夢……」


柚木さんの呆然としているような声が聞こえて来た。


「入っていいか?」


僕はそう質問し、返事が来る前にふすまを開けた。


布団の上に座り、汗をかいている柚木さんに近づいていく。