「潤と、2人で?」


翔平の視線が僕へ注がれる。


『違う!』という前に、空気を読めない柚木さんが「そうだよ」と、返事をしてしまっていた。


翔平は大げさなほどにため息をこぼし、テーブルに額を打ちつけた。


ゴンッと鈍い音が響いたが、顔をあげようともしない。


「で、でも、翔平が考えてるような関係じゃないから!」


僕は慌ててそう補足した。


「長い間2人きりでこの離れに……?」


「そうだって言ってるでしょ」


「ちょっと、柚木さん!」


この落ち込み方を見ても翔平の気持ちに気が付かないんだろうか。