「なに? 聞こえない!」


尾崎さんが必死に三浦さんの体を抱きしめる。


しかし、三浦さんの体に触れることすらできなくなっていた。


伸ばした両手は三浦さんの体をすり抜ける。


「メイコ、メイコ!!」


蘇りの時間が終る。


眩しいほどの光が空へと昇って行くのを、僕はただ見つめていることしかできない。


三浦さんが最後に残したのは、一粒の大きな涙だった……。