このタイミングで……。


僕は心の中で歯ぎしりをした。


もう少しで三浦さんは何かを言えそうだったのに。


「メイコ!」


尾崎さんが三浦さんに駆け寄ろうとする。


しかし、三浦さんは後ずさりをして左右に首を振ったのだ。


「どうして? お母さんよ……?」


「お母さんは騙されてる」


三浦さんの震える声が必死に事実を訴えかけようとしている。


「騙されてるって、なんのこと?」


「私はここで殺された!」


叫びにも近い、真実の声。