三浦さんと尾崎さんが抱き合うのを見てから、すぐに出口へと向かったからだった。


「翔平を見た瞬間、すごく怯えた顔になった」


その言葉に、僕は手に持ったカップを落としてしまいそうになった。


「え?」


翔平は三浦さんの事を心配していた方だ。


生前も家まで行ったり、尾崎さんとも顔見知りになっている。


「翔平は、どうして今日ここにいたんだろう」


「それは……翔平が『蘇らせ屋』の事を尾崎さんに話したからだろ?」


「本当にそれだけ?」


そう聞かれても、僕にはわからない。