僕はテーブルの上の湯呑を見つめた。


綺麗に残さず飲まれている。


それを見た瞬間、腰が浮いていた。


柚木さんはきっと家にも帰っていないんだろう。


なら、今日はどこで眠るつもりなんだろう?


食べ物は? 飲み物は?


そんな不安が一気に押し寄せて来てしまい、それは僕を止める事ができなかった。


気が付けば外へ出て柚木さんの後を追いかけて走っていたのだった。