半分ゴミ屋敷になってしまった家を出て、近くのファミレスに移動して来ていた。


座ったのは窓際の席で、ここからなら三浦さんの家が良く見えた。


「メイコ、どうして自殺なんかしたんだろうね」


運ばれて来た紅茶に手も伸ばさず、柚木さんはそう言った。


「僕にもわからないよ。でも、きっとその話をしてるハズだから」


僕らには真相がわからなくても、尾崎さんには何かを語ってくれるはずだった。


その為に三浦さんは再びこの世へ戻って来たのだから。


「でもねぇ、なんだか引っかかる」


柚木さんはそう言って顎に手を当てた。


その様子は本物の探偵のようで、思わず笑ってしまいそうになった。


離れに1人でいるときは推理物の漫画をよく読んでいるようだし、すっかりその気なんだろう。


「ねぇ、笑いごとじゃないんだけど」


いたって真剣な表情の柚木さんに僕は「ごめんごめん」と、平謝りをする。