「悪徳商法だったらヤバイかなって思って」


そう言って頭をかいている。


翔平なりに尾崎さんのことを考えての行動だったようだ。


「駅でお前が来たときに、これなら大丈夫かなって思ったんだけど、まぁ念の為にさ」


その気持ちはよくわかる。


僕だって『蘇らせ屋です』なんて名乗る男が出て来たら、警戒するに決まっている。


「じゃあ、骨は別の場所にあるんですか?」


僕は尾崎さんへ向けてそう質問した。


「はい。あの子の骨は元旦那の家にあります」


つまり、三浦さんが暮らしていた家にあるようだ。


家に行けるのなら自殺した原因に近づく事もできるかもしれない。


そう思って心の中で苦笑いを浮かべた。


死んだ原因を突き詰めていくだなんて僕らしくない。


随分と柚木さんに毒されてしまっているみたいだ。