そう思いながらも、死者の名前だけはハッキリと記憶していた。


三浦メイコ。


名前を思い出すだけで胸の奥が鈍く痛むのを感じる。


この子の名前はきっと柚木さんも知っているだろう。


「蘇らせたい相手は三浦メイコ。依頼者は母親の尾崎由紀。離婚しているから娘と苗字が違うみたいだ」


僕はそう言いながらも息が苦しくなるのを感じていた。


「三浦さん……」


柚木さんが横から僕のスマホを確認し、ポツリと呟いた。


三浦メイコ17歳は、2年B組の生徒だった。


つまり、僕らの隣のクラスの生徒だったのだ。


三浦さんが亡くなったのは一カ月ほど前、イジメがあったとかなかったとか、当時は色々な噂が上がっていたが、自殺で間違いないそうだ。