蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

でも、言おうとした瞬間翔平の顔が浮かんで来て、言葉にはならずに消えて行った。


「いつまでも警察が柚木さんの存在に気が付かないとは思えない」


代わりに僕はそう言った。


ずっと考えていた事だった。


柚木さんは間違いなくあの小屋の中にいた。


それなら、そろそろ警察も柚木さんがここにいることに気がついてもいいはずだった。


「そうだよね……。私の記憶が少しでも戻れば出て行くことができるのに」


柚木さんは相変わらずそうめん流しの機械を見つめて、そう言った。


それは自分が犯人だったとしてもちゃんと受け入れるということなのだろう。


今はまだ記憶が失われた状態だから、柚木さん自身も動けないでいるのだ。


彼女は彼女なりに苦しんでいたに違いない。


「なんか、ごめん……」