蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「先生には自分からちゃんと連絡してる。お母さんの病気が悪化してるって嘘をついて。最低だよね、自分のためにお母さんをネタにして出すなんて」


柚木さんはそう言い自虐的な笑顔を浮かべた。


「そんなことない」


僕は咄嗟にそう言っていた。


いつも振り回されている柚木さんのことを庇おうとしている自分に驚いた。


いつも僕のことを見下しているのだから、ちょっとくらいやり返してもいいのにと心のどこかで感じている。


だけど、できなかった。


「だから私の捜索願いとかも出されてないよ」


それはどういう意味かと考えたが、僕が柚木さんをかくまっていることはバレていないと言いたいのだと、すぐに理解した。


「僕は別に……」


いつまでもここにいても構わない。


そう言いたかった。