僕は居住まいを正して2人へ向き合った。


「はい、よろしくお願いします」


山本さんが真っ直ぐに僕を見て行った。


僕は小さく頷き骨壺へと手を伸ばす。


骨を1つ右手に握りしめ、目を閉じた。


暗闇の中には真理さんの姿があった。


まるでこの時を心待ちにしていたかのように、すぐに現れてくれた。


《彼が来てるんでしょう?》


僕が言葉を伝える前に、そう聞かれた。


真理さんの表情は明るく、今から好きな人に会えると言う喜びで満ちていた。


《山本さんのことですよね? 来られていますよ》


《よかった! また彼に会えるのね!?》


真理さんは飛び上がらんばかりに喜んでいる。