そう言い、テーブルの隅に置かれている骨壺をいとおしそうに撫でる。


「前回、真理が私たちの前に現れてくれなかったとき、気が付きました。私は真理の気持ちなんてこれっぽっちも考えず、世間体ばかりを気にしていたのだと……」


「それもこれも、全部僕が悪いんです」


そう言ったのは山本さんだった。


こうして改めて見て見ると、山本さんはなかなかの美青年だった。


拓也さんも原田さんも、山本さんを見て焦ったのかもしれない。


このままじゃ本当に真理さんが自分の元から去っていく。


準備していたものがすべて破たんになってしまう。


そう思い、真理さんを必死で引き止めたのだろう。


真理さんへの気持ちが、空回りしてしまったのかもしれない。


「では、準備を始めますがいいですか?」