蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

その謝罪にと思い、僕は自分の名刺と花を摘んで彼女のレジに並びました。


その日はとてもお客さんが多かったんですけど、商品も持たずに並んだんです。


僕を見た時の彼女の顔は今でも忘れません。


嫌悪でした。


それしか表現方法がありません。


僕は名刺と花を彼女に渡し、逃げるようにレジを後にしました。


今思えば、ここの食品レジって指輪禁止なんですよね。


だから真理も指輪をつけることができなくて、僕も婚約者がいるなんて知る事ができなかった。


ちゃんと謝る事はできなかったけれど、これを機にもう諦めよう。


そう思っていたけれど……。


「真理さんの方から連絡が来たんですね?」


柚木さんが静かな声でそう聞いた。


「そうです」


山本さんは苦し気な笑顔で頷いた。