蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

人のスマホで勝手に他人に電話するなんて、柚木さんらしい。


「せめて公衆電話にしないか?」


ここは大型デパートだからタクシーでの来客も多く、入口に公衆電話が設置されている。


なにもストーカー野郎に僕の電話番号を教える必要はない。


「ダメだよ。非通知拒否になってたから公衆電話も拒否されるかもしれない」


柚木さんはそう言ってまたスマホを操作しはじめた。


拒否されている可能性は否定できないが、なんども言うようにそのスマホは僕のものだ。


「仕方ないから通知がでるようにしてかけてみるね」


おい。


と、言う暇もなく柚木さんは僕のスマホを耳に当てている。


ストーカーする男なんて真面じゃない。


僕の番号を知ることで仕返ししてくる可能性だってある。