柚木さんへ聞くと、「従業員入口から入ればいいじゃん」と言う返事が来た。


僕は目を丸くして柚木さんを見たが、本人はケロッとしている。


「探偵ってそういうものでしょ? 入れない場所にも入って謎を解決する」


そう、自信満々に言う柚木さん。


柚木さんならなんでもやりかねないが、何度も言うように僕は探偵じゃない。


変装して侵入したいのなら、柚木さん1人でやればいい。


そう思っていたところに、さっきの店員さんが戻ってきた。


「お待たせしました。許可が下りましたので案内しますね」


「よろしくお願いします」


僕は頭をさげて、女性の後に続いて歩き出したのだった。