どう見ても純日本人な柚木さんを見て不思議そうに首を傾げている。


「突然すみません。僕たち原田真理さんの婚約者に頼まれて、事実確認をしているんです」


僕は柚木さんを押しのけてそう言った。


見るからに怪しい柚木さんの言葉を信用してくれるとは思えなかったからだ。


「原田さんの……?」


女性の表情が曇る。


同じ職場の人だから、事情は知っている様子だ。


「はい。原田さんの母親とも会ってきましたので、連絡してもらっても構いません」


僕がそう言うと、女性は「ちょっと待っててね」と言い、そそくさとどこかへ行ってしまった。


従業員の個人情報を勝手に教えてはならないと教わっているのだろう。


「ここで断られたらどうする?」