蘇らせ屋のボクとヒトゴロシのキミ

「たったそれだけ?」


「それだけじゃないよ。家に帰るわけにもいかなくて困ってるとき、偶然あそこで見つけたから」


淀みなくそう説明する柚木さん。


どうやら本当にその程度のことで僕が選ばれたみたいだ。


今度は近道をして帰ろうとした過去の自分を恨めしく感じられた。


「それなら、柚木さんのもっと仲の良い友達に相談するべきじゃないかな? 僕はあまり柚木さんのことを知らないしさ」


早めにおいとましてほしくて、僕は早口でそう説明した。


柚木さんからしても、よく知らないクラスメートに相談するよりも、友人に相談した方が心強い事だろう。


しかし、柚木さんは途端に笑い出したのだ。


僕は再びキョトンとした瞳を彼女へ向けることになる。