柚木さんはそう言い、外の景色を見つめた。


「それっておかしいだろ」


「なにが?」


「だって、相手はストーカーだぞ? そいつが原因で自殺までしたのに、同じ花を持つなんて……。偶然そうなったって言うのか?」


眉間にシワを寄せてそう聞くと、柚木さんは瞬きをして僕を見た。


「本気でそんなこと言ってるの? 偶然同じ花を、同じ場所で摘んで、同じように写真に残す? それってどれだけの確立で起こることなの?」


人を小ばかにしたような言い方に腹が立つ。


けれど同時に心の中がスッと冷えて行くのを感じていた。


そんな、まさか……。