しかしその依頼は途中で頓挫してしまった。


被害者であるはずの真理さんが、拓也さんにそこまでしなくてもいいからと、辞めるよう説得したのだそうだ。


あのときにちゃんと最後まで調べておけばと、拓也さんはひどく後悔している様子だった。


「ストーカーにしてはイケメンだよな」


僕はしげしげと写真を眺めてそう言った。


写真に写っているのは20代前半の優男で、笑顔が幼く可愛らしい印象だ。


女受けも悪くなさそう。


「そうだね。拓也さんといい勝負」


「でも、男が花を持って写真に写るのはどうかな」


僕はそう言い、苦笑いを浮かべた。


写真の中の男は黄色い花を持って気恥ずかしそうにほほ笑んでいるのだ。