「普通さ、そんな状況を見たら自分の体も確認するでしょ? でもね、なんともなかった」


「本当に……?」


柚木さんは大きく頷く。


「怪我もないし、服もちゃんと着てた」


その返答に一気に体の力が抜けて行くのを感じた。


柚木さんは無事だったのだ。


嫌な汗は一瞬にして引いていく。


けど……それじゃあどうして死体があったんだ?


その疑問に行きついて、僕はまた凍り付いた。


「ね? おかしいでしょ?」


柚木さんはそう言ってひきつった笑顔を浮かべる。


背が高くでスポーツ万能な柚木さんでも、男2人にかなうとは思えない。


だけど現に柚木さんの前には死体があった。