色々と思い出しているのかもしれない。


「間違いありません」


震える声でそう答えてくれた。


続けて拓也さんも頷く。


「それでは、骨を見せていただいてよろしいですか?」


「はい……」


腰を浮かし、白い箱に手をかける。


中から出て来たのは木製の骨壺で、側面に真理さんの写真がはめ込まれている。


笑顔を浮かべている女性はとても美しく、艶やかな黒髪は母親そっくりだ。


手には紫色の小さな花を持ち、ほほ笑んでいる。


これだけ綺麗ならストーカー被害にあうのも頷けてしまう。