「美味しそう。ダージリンの香りですね」


柚木さんが紅茶を前にしてそう言った。


適当に言ったのだろうと思っていたけれど、真理さんの母親は笑顔で頷いていた。


以外にも紅茶に詳しいようだ。


それを1口いただいてから、僕は拓也さんへ視線を向けた。


「拓也さんも、そろそろ座ってください」


「あ、あぁ……」


そわそわした様子のまま、拓也さんは真理さんの母親の横に腰を下ろした。


ジッと真理さんの骨が入った箱を見つめている。


「では、依頼内容を確認させていただきますね」


僕はそう言い、背筋を伸ばした。


「蘇らせたい方は原田真理さん24歳。亡くなったのは10日前。自殺でした。間違いないですか?」


僕の言葉を聞きながら肩を震わせる真理さんの母親。